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免疫の基本・自然治癒力の基本①白血球

今回はなぜ白血球、リンパ球が大切か、身体の回復に関係があるのかご説明いたします。

 

免疫力・自然治癒力とは・・・ずばり「白血球の力」です!!

☆白血球とは☆

血液中を循環しながら、体内を監視をして、
体外から侵入した異物や、体内で発生した異常細胞などを処理しています。

白血球も自律神経の支配を受けています。

交感神経優位は顆粒球を増やし、副交感神経優位はリンパ球を増やします。


〇白血球の種類・特徴

白血球にも種類があり、役割・特徴が異なります。

①顆粒球(かりゅうきゅう)

[顆粒球の身体の守り方]

・強力な貪食作用【外来抗原対策】
細菌などの大きな異物を飲み込んで、消化し身体を守ります。
消化後は、化膿性の炎症を起こします。

↓ もう少し細かく

顆粒球は、分解酵素の詰まったカプセル(顆粒)を持っていて、
飲み込んだ細菌をその酵素で破壊し、自分も死んでしまいます。自爆します。
※この自爆で、組織に化膿性の炎症が起こり、闘いを終えた顆粒球の死骸が「膿」になります。

⦅化膿性炎症・膿の例⦆⇒顆粒球が闘ってくれた証拠!

・風邪の治りかけのネバネバの黄色い鼻水。

・傷の治りかけに出る膿

[補足説明]
・顆粒球はマクロファージの貪食能力を強化した細胞です。

・増殖能力が非常に高くて、緊急時には2,3時間で2倍に増えます。
※例:大けがをして組織が腫れあがっている時などは、白血球の90%が顆粒球になります。

・通常は白血球の内60%前後を占めています。
※身体に入る異物は細菌が圧倒的に多いためです。
※好中球、好酸球、好塩基球とさらに細かく分類されますが、ほとんどが好中球です。

・顆粒球の異物との闘いには、「異物(抗原)の記憶が発生しないため」免疫は成立しません。
※その都度、異物が入ってきたら闘うのみです。

☆顆粒球が死ぬときに、細胞の中に入っていた「活性酸素」が放出されて、まわりの正常な細胞まで酸化、破壊してしまいます。
自爆して死ぬこともありますが、出番なく2~3日で寿命を迎え、粘膜上に活性酸素をまき散らして死んでいく事もあります。
また、交感神経が過度の緊張状態になり、顆粒球が増えすぎると、私たちの体内に住みついている常在菌(腸内、皮膚、口の中)にまで反応してしまい顆粒球が攻撃してしまいます。
さらに、普段は古くなった組織を壊しているのですが(新陳代謝の活力)、新陳代謝が進みすぎて、古くない組織まで攻撃してしまいます。

大腸炎、胃潰瘍、皮膚の老化、ガンなど多くの病の原因になります。

この話題(交感神経過剰、副交感神経過剰による症状・病気)は他の記事でまた書いていきます。

②リンパ球

[リンパ球の身体の守り方]

1-a ウィルス、花粉などの身体の外から入ってくる小さな異物を直接攻撃(細胞殺傷タンパク質を敵にかけます)します。【外来抗原対策】
リンパ球の種類:キラーT細胞

1-b  ウィルス、花粉など小さな異物が身体の中に入ってくると、「免疫グロブリン」という強力な抗体を体液、血液に放出し、
細胞自体は、自ら異物の所へは行かず、異物を間接的に攻撃します。
☆闘いが終えたB細胞は、その異物を「抗原」として記憶し、
次に同じ抗原が侵入すると、マクロファージの指示を待たず、たいへんな数の抗体がすぐにできます。
そしてほとんど病気が起こる前に処理をしてしまいます。

「一度かかると、二度目の症状が軽くなったりかかりにくくなったりする」というものです。
=一般的に「免疫」と呼ばれているものが、このリンパ球の反応のことです!
リンパ球の種類:B細胞

2  ガン細胞を含む自分の身体の中の異常細胞へ対応します。【☆自己内部監視・対策】
リンパ球の種類:NK細胞(ナチュラルキラー細胞)、胸腺外分化T細胞

↓ もう少し細かく・補足

1-a キラーT細胞は、ウィルス・花粉・ハウスダストなど外から入ってくる非常に小さな異物に反応し、自らが細胞ごと異物(抗原)の所へ行き、外敵を直接攻撃し、身体を守っています。

1-b B細胞は、大きくて自由に動きにくい細胞なので、
ウィルスなどが外から入ってくる非常に小さな異物に対して、強力な「免疫グロブリン」という異物を排除するタンパク質分子・接着分子を、体液、血液に送り込んで、間接的に異物を攻撃し処理を進めます。

闘いが終わるとB細胞の一部は、抗原を記憶して休みます。
記憶しているので、同じ抗原が入って来た時にはすぐに分裂を開始して病気が起こる前に処理して炎症を止めてしまいます。

☆今まではこの1-aと1-bの外から入ってくる敵に対しての免疫というものが重要視されていましたが、
現代社会ではこれから説明します2のNK細胞による免疫・抵抗力・自然治癒力が非常に大切です。

理由は、顆粒球やキラーT細胞、B細胞は、生命の緊急時には非常に重要な抵抗力・免疫でしたが、現代社会では命を落とす怪我やウィルス、伝染病などは普通に生活していれば起こる確率は少ないからです。

反対に、現代は自分で自分自身の身体を酷使して、ストレスを受けて、与えて、身体の中から病を発症させていることが多いからです。
自然治癒力、からだの回復の仕組みを勘違いしている方、無理をしすぎている方には、NK細胞など身体の中の異常を監視している細胞、自分の身体の中の異常への対応をしてくれる細胞を意識して活性化させてほしいと思います。

2 NK細胞は、ガン細胞など体内で生まれた異常細胞に反応し、自らが細胞ごと異物(抗原)の所へ行き、異常細胞を直接攻撃(細胞殺傷タンパク質を敵にかけます)し、身体を守っています。

☆自分の中に生じた異常細胞を排除するという役割です。
非自己を見分けて、働くのではなく、
自分を認識しながら、その中に異常があった時に働くシステムが、
現代では基本であり、非常に大切であると思います。

☆☆自分自身を見つめるシステム
自分の中に異常化した細胞があれば、それを攻撃して速やかに排除する防御システム。☆☆

それがリンパ球(特にNK細胞)の最大の特徴です。

[補足説明]
・通常は白血球の内35%前後を占めています。

・リンパ球は普段は休んでいて、抗原が来てから分裂して闘いの態勢を整えます。
※細菌が入ってきたら、すぐに駆けつけて即座に闘う顆粒球とは異なり、準備が必要。

・マクロファージの貪食能力を退化させて、異物にくっついて攻撃する能力を高めるという進化をしました。

・リンパ球が敵と闘う時には、「カタル性の炎症」が起こります。
さらさらした透明な分泌物を伴う炎症。

例:風邪のひき始めのポタポタ鼻水
あれはリンパ球がウィルスと闘っているからです。

⇒リンパ球(この場合、B細胞)が過剰になると、花粉やハウスダストなど本来無害なものに過剰に反応して、アレルギー反応を引き起こします。花粉症やアトピー性皮膚炎などサラサラした液体がでます。
リンパ球が過剰でも抗原に過敏に反応してしまいます。

③マクロファージ

[マクロファージの身体の守り方]
・貪食作用【外来抗原対策】
異物が侵入すると、偽足を出して駆けつけムシャムシャと食べて無毒化して身体を守ります。

・敵の侵入をリンパ球や顆粒球に知らせる役目。
異物の存在をキャッチして、大きさを確かめて、顆粒球・リンパ球に出撃命令を出します。

[補足の説明]
・白血球の中での割合は5%で、生涯を通じてその数値は変わらない。

・顆粒球やリンパ球は、マクロファージから闘う力をパワーアップした細胞。
※マクロファージが元祖・白血球です。


まとめ

免疫・自然治癒力の主役:白血球(自律神経に支配を受けている)

0、マクロファージ:顆粒球、リンパ球に異常を知らせる。

1、顆粒球:交感神経優位で増える

細菌をやっつける、新陳代謝を促す
過剰になると…組織破壊・組織異常・老廃物発生

2、リンパ球:副交感神経優位で増える

ウィルスなど小さい異物をやっつける、異物の特徴を記憶し同じ症状になりにくくなる免疫の獲得【免疫力】
☆身体の中に起こった異常を察知、異常な細胞・老廃物を廃棄して、老化(ストレス)に対応。【自然治癒力】【アンチエイジング】

過剰になると…アレルギー疾患が起こりやすくなる

⇒ストレスを受けた(老化した)身体の中の老廃物を抱え込んだ細胞、異常細胞、劣化した細胞を壊して捨ててくれる。

問題は外からくる抗原ではなく、体内の異常!!


血流を良くして、

自律神経を整えて、体内環境を整備し、

白血球をバランスよく活躍させて、

いつまでも元気で生活できますように!!


説明不足や言葉足らずな場所もありますが、今後補足の記事やリンクを作っていきます。
一度公開した記事も読み直し、新しい情報によっては追記や表現を変化させていることもあります。
また、鍼灸師、医療関係者の方のアドバイス、訂正、疑問などありましたらコメントやメッセージお待ちしております。
多くの方の力もお借りして、より深い正しい知識にしていけたらと思っております。
よろしくお願いいたします。

鍼灸栗原治療院
栗原洋


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