- 施術コラム一覧 - 身体へ出た「症状」の考え方
「症状」
身体に起こる反応のほとんどは、身体にとって役に立つ反応です。
生体が自然に起こす反応というのは、
たとえ症状としては、不快なものであっても、
実際には、身体の状態を調整するために行われている場合がほとんどです。
鍼灸では
症状を緩和すると同時に、
その症状がなぜ発生したのか、どこからくる痛みなのか、なぜ改善していかないのか
を検査でなく、
手作業(体を触っておかしいところ、熱いところなど)と
目で見て、鼻でにおいを感じ、雰囲気で異常を探し出します
また、お尋ねすることも、睡眠時間や、食事のこと、運動のことなど、
患者さんの生活を診て、治療に当たります。
症状があれば、それを止めて、終わりではなく、
症状は何かしらの身体のサインです。
若く自然治癒力が高いころは、それでもほとんど問題ないと思いますが、
その症状が、病気にならないかというのは、
自分の生き方、生活を大切にしなければならないと思います。
症状が限界になると「病気」になります。
自分がどれくらいの無理なら耐えられるか、どうしたら身体が少しでも楽になるのかを知っておかなければならないと思います。
心理的な無理、ストレスも同じです。
あまり溜め込み過ぎると、身体の内側から組織破壊をおこします。
※交感神経の緊張による、血流障害、ストレスホルモン、白血球の過剰反応など
症状は、身体が脱線、衝突しないためのブレーキのようなものです。
症状がでたら、どうしたのだろう?と早めに気づいて点検してあげてください。
今はとても忙しいので、ちょっと薬を飲んでやることをやるのが当たり前ですが、
風邪、頭痛でも薬を飲み続け、いつも通り働くことはやっぱり少しおかしいと思います。
自分も今まで薬、西洋医学にお世話になっていますが、頼りすぎは、やっぱり怖いことだとも思います。
少しだけそのことに疑問を持ってもらえたらと思います。
鍼灸は、
免疫を高めたり、
循環を良くしたり、
排泄を良くしたり、
することで、治癒を促します。
西洋医学は、直接病変に働きかけますが、
鍼灸は、
生体の反応を利用しているため、ゆっくり効いてきます。
それは、本来、
人間の身体が病気やケガから回復していくときの治癒のあり方に通じています。
まだ体力のたくさんある若い人や急性の疾患の場合には、西洋医学で素早く対処し、
慢性的で、長く時間をかけて取り組まなければならない症状の場合は、
身体の治癒力を上げるような代替医療(鍼灸など)を試すことが長い目で見た時は明らかに有効です。
また、原因不明、ガン、膠原病、アレルギーなどの慢性病は、
自律神経、免疫系、循環系、消化器系など、
生体全体のバランスが破綻しているという状態ですから、
バランスを整える働きを全身で考える代替医療が効果的です。
一番の理想は、しっかりと自分に必要な医療を自ら選択し、
必要なものを偏らず、とらわれず、融合して取り入れていけるようになってもらえたらと思います。
症状を拒まず、しっかり受け入れられれば、
症状を機により良い生活、生き方が見えてくると本気で思っております。
病気、症状が教えてくれることが沢山あります。