- 施術コラム一覧 - 鍼灸治療における内出血の考え方
鍼灸治療における【内出血の考え方】
鍼灸治療時は、内出血(青タン)ができることがあります。
鍼治療の副作用として「内出血することがある」と聞くと、不安に感じる人もいるかもしれません。
施術に使う鍼は非常に細いものですが、血管に触れると出血する可能性があり、内出血が「絶対に起こらない」とは言い切れません。
ただ、内出血そのものは身体に害をおよぼすものではなく、ほとんどは時間がたつにつれ薄くなり、自然に消えていきます。
血管は太いものから細いものまで、身体中を網の目のように広がっています。
毛細血管にまったく触れずに鍼治療を行うことは、どんなに技術力の高い鍼灸師でも難しく、内出血を完全に防ぐことは基本的には不可能とされています。
太くて弾力のある血管は、鍼治療に使うようなごく細い鍼が刺さっても、内出血を起こすことはありませが、
内出血は、細くて弾力がない毛細血管に起こりやすく、
特に血流が悪くなると、血管そのものの酸素や栄養が不足し、弱く破れやすい状態になっています。
血流が悪くなる原因としては、
糖尿病や高血圧、高脂血症などの病気、加齢、喫煙などが挙げられます。
血流が悪くなり血管がもろくなると、内出血が起こりやすいことに加え、血液を固める力も弱まる傾向があるため、内出血が消えるまでの時間も長くなると考えられます。
また、病気の治療で抗凝固薬など、血液をサラサラにする薬を飲んでいる人も、血液が固まりにくくなるため内出血が起こりやすく、消えるまでに時間がかかる傾向があります。
遺伝など生まれつきの身体質であざができやすい人、梅雨、低気圧の時期、
疲労やストレス、ダイエットなどで胃腸の働きが低下している人も、内出血を起こしやすいと考えられます。
目立つ場所に内出血ができると、人の視線が気になったり、恥ずかしくなったりするかもしれませんが、身体にとっては決して悪いものではありません。
東洋医学の考え方では、内出血は身体の中の悪いものを外に出してくれるもの、停滞していた気や血液の流れをスムーズにして、身体の不調を改善してくれるものと考えます。
私たちの身体にもともと備わっている自然治癒力によって、内出血が起こった場所では、皮膚の組織が修復され、新しい肌へと生まれ変わっていきます。
内出血は、身体の状態をよくするための自然な作用であり、内出血が治る過程で身体の悪い部分も一緒に改善されていくと考えられているのです。内出血を「嫌なもの」と思わず、ポジティブに捉えていただければと思います。
どうしても大切な予定などがある場合、ここだけは青タンができて欲しくない場所がある場合などは、事前にお知らせいただければ、処方などを変更いたします。ご相談ください。
※病気など、内出血が起こりやすく、治りにくい要因がなければ、ほとんどの人は何もしなくてもだんだんと色が薄くなり、数日~2週間程度で消えます。