- 施術コラム一覧 - 少しわかりやすい鍼灸の効果・仕組みのまとめ
単純な局所の鎮痛効果(→☆1))(→☆2)、特定の筋肉をほぐす以外の本当に大切な
鍼灸治療の効果・なぜ効くのかを簡単にまとめてみました。
①『血流が良くなる!身体の巡りが良くなる!』
鍼を刺すと、その場所を「治さなくては!」と身体が反応し、
・「血管拡張作用」血管が広がる
・「血管透過性作用」血液が細胞間の行き来をしやすくなる
が働きます。
全身にしっかりと鍼を刺すと、身体の中の巡りが良くなり、
身体に異変があった時、すぐに異変に対処できる身体の状態になります。
そのため、全身の血流が良いと、疲れも取れやすくなり、病気にかかりにくくもなります。
免疫力、抵抗力、自然治癒力が高い状態にあると言えます。
これが全身鍼灸治療の一番の効果であり、鍼灸の本当の魅力だと私は思います。
詳しくはこちら(→☆)
自分の中のイメージでいうと、(なかなか良いたとえが浮かばないのですが…)
血流が良いという人の身体は、きれいに整理整頓されている部屋(家)で、何がどこにあるかすぐ分かる。
疲れていたり、血流が悪い人の身体は、汚れて、足の踏み場もない部屋(家)で、探し物も見つからない。
ですので、身体を整え、ごみを出し、整った身体を保ちましょう!
②『自己鎮痛システムの活性化!痛みに強くなる!』
人間は痛みを感じると脳から鎮痛物質を出し、痛みを和らげる反応があります。
・「生体内オピオイド分泌=脳内麻薬物質の分泌」脳から麻薬物質を出し、痛みを感じにくくします。
⇒あまり痛いのは大変だから、脳に痛みを一時的に感じなくさせよう!という人間の身体の仕組み
また、痛みを感じると、痛みの情報をシャットダウンする反応が備わっています。
・「下行性疼痛抑制系の活性化=体表から受けた痛みの情報経路の遮断」
⇒あまり痛いのが続くのはきついから、脳に来る途中で痛みの情報を減らしちゃおう!とする人間の身体の仕組み
詳しくはこちら(→☆)
痛がりの方や、痛みに強い人の違いは、
この2つの身体の作用、
「脳内麻薬の濃度」や「下降性疼痛抑制系が正常に働いている」かなどが大きく関わっていると思われます。
その力を鍼治療は意図して、故意に痛み・組織損傷を引き起こし、
鍼灸によって脳に届いた刺激が、脳内麻薬の濃度を増加させ、鎮痛・鎮静に強く働きかけます。
また下行性疼痛抑制系を正常化し、痛みを適切にコントロールできるように働きかけます。
全身鍼灸治療は、痛みを抑える力を活性化し、痛みに強くなります!
さらに、脳内麻薬物質によって気分も良くなります!
異常がないのに痛みの続く方、そんな痛いはずないと言われてしまう方は、この身体の作用を正常にし、活性化させ、
痛みを減らし、自然治癒力で根本改善を目指しましょう。
③『精神を穏やかにするホルモンの分泌を活性化!』
鍼灸の刺激によって、傷ついた身体を回復させようとホルモンの調整も起こります。
・オキシトシン増加
「傷を早く回復させる作用」や、「痛みを感じにくくする作用」、「筋緊張を減らす作用」が身体を回復させる、とともに
「安心」「落ち着き」「ストレス反応を抑える」作用などが同時に働きます。
・コルチゾール減少
ストレスを受けて興奮状態にある身体を、鎮静化し、交感神経をゆるめ、炎症(痛み)を抑えます。
2つのホルモンについて詳しくはこちら(→☆)
傷の回復に併せて起こる
これらの精神的作用は、身体をより効率的に回復させるための大切な作用です。
この作用によりさらに血流が良くなり、自己鎮静システムなども働きやすくなります。
身体を早く回復させるために、自然とこころ穏やかにするシステムがあります!
鍼灸はこれらの精神作用を利用し、ストレス、イライラ、精神的な疾患への対応もできます。
④『自律神経を整えます!』
血流が良くして!痛みに強くなって!こころ穏やかに!なると自然と自律神経は整っていき、切り替えもスムーズになります。
最近感じる自律神経の大切さ(→☆3)
☆まとめ
鍼灸は単純な刺した場所の痛みが治まるだけでなく、
全身の血流を良くし、身体の異常に迅速に対応できるようになり、
脳の指令で、痛みを抑える力を活性化し、痛みに強くなり、
ホルモンの作用で、心穏やかになり、自律神経が整います。
胃腸も良く働き、おいしく食事ができ、よく眠れます。
血流が良く、腸が元気だとより免疫力も高く、自然治癒力も高くなります。
だから、
継続した全身鍼灸治療は「病気になりにくく、疲れにくく、老いにくく」なります!
これが、
症状の改善、緩和だけでなく、その先にある鍼灸の本当の良さ、本当の効果・価値だと思います。
「健康」というのは、今後もっとも大切で価値のある何よりの資産の一つになっていくことは間違いないとも思います。
今後は、「身体をあたためる事の効果、重要性」も追加していきたいと思います。
また、東洋医学的な効果・仕組み、ツボについては更に勉強を重ね、文章にしていけたらと思っています。