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鍼灸による身体の変化・仕組み・効果⑥自律神経への作用・内臓への作用・離れている場所への作用

2019.05.25

鍼灸が自律神経になぜ作用するかご説明します。

今回は自律神経への作用ということで
鍼をした際に「延髄」に起こる変化について書いていきます。

「中脳から起こる自己鎮痛システム」や「視床下部から起こるストレス精神面への効果」と同様に

鍼を身体に刺すと、
筋肉、皮膚から受け取った刺激を「延髄」が受け取ると、
延髄から「自律神経」系へ指令が出て、内臓器官の働きを調整する仕組みが身体にあります。
「体性自律神経反射(たいせいじりつしんけいはんしゃ)」と呼ばれているものです。

人間の身体には「体性自律神経反射」という仕組みがあるので、

 

鍼灸刺激

延髄(脳)

自律神経

心血管系・消化器系へ作用

 

適切な鍼刺激により、その通路を使い、
心拍数や血圧が高すぎる時は下げ、低すぎる時は上げることができます。「心血管系の調節」
また胃腸の蠕動運動などを活発にしたり、抑制したりすることもできます。「内臓機能の調節」

これが足に刺した鍼が、お腹に効く仕組みです。
遠隔治療(痛みのある所と遠いところ・違うところを施術して痛みをとるやり方)の仕組みの一つです。
他にも「経絡治療」というものも遠隔治療や内臓の治療の方法ですが、こちらはまた今度。

 

鍼灸治療によって自律神経の調整ができ、
内臓や心血管系の自分では意図して動かせない身体の中まで改善に導くことができます。
「身体の自動調節システムの改善」です!!

原因不明や多くの慢性病などは、
自律神経、免疫系、循環系、消化器系などの調節システムが大きく破綻しているという状態ですので、

自律神経を調整していく事は、自分で意識して変えられない症状・病気への改善への大きな一歩になります。


鍼灸による、
もう一つの自律神経への作用は「副交感神経を優位にすることができる」ことがあげられます。

●なぜ副交感神経を優位にできるか?

副交感神経は、血流とつながっており、
血行を良くする行動は、副交感神経を活性化してくれます。

以前、コラムに書いたように鍼の刺激は血流を良くしますので、
鍼灸治療は、副交感神経を優位にすることができます。

鍼に慣れていない方や、刺激が苦手な方は、
すぐには副交感神経が優位にはなりにくいですが、
刺激に慣れる後半や、暖かくて気持ちがいいお灸をする頃には、
身体が傷を回復しようとするため、自然と副交感神経優位になっていきます。
※あまり恐怖心が強い場合や、鋭い痛みが続いている場合はなかなか切り替わらない場合がありますので、
ベッドの上にあがったら、まな板の鯉状態でどっしりと構えることをお勧めします^^

当院の場合は、
前半は、交感神経をしっかり刺激し、
後半は、副交感神経を優位にするよう穏やかになる流れになっています。
最後は、もともと副交感神経が優位な方は、少し交感神経を刺激して終わり、
もともと交感神経を使いすぎている方は、副交感神経を優位にして治療を終わります。
最後の仕上げで、治療後の身体の仕上がりは全く違います。
今までのお身体の状態、今後の予定、今日の予定などを伺い仕上げています。

自律神経がどちらかに傾いてしまっている方が多いので、
しっかりと必要な時に切り替えができる状態が理想的です。

●なぜ適切な副交感神経優位が重要か

まず現代社会では、交感神経優位になり過ぎている方がほとんどです。

自律神経の調整がうまくできず、交感神経優位が続くと、
睡眠の質が悪くなったり、胃腸の調子が悪くなったり、日ごろの疲れが取れないという状態になります。

睡眠の質が悪く、睡眠時間が取れなかったり、内臓の調子が悪いと、朝から気分がすぐれません。
さらに身体の疲れが抜けない、休みたいけど休めない、休みだけどうまく休めない。
けれど、働かなくてはいけないとなると、30,40代までは何とか若さ、自然治癒力でなりますが、
50代くらいになってくると、精神面では「うつ症状」や身体面では「病気」というものが形、病名になって出てきます。

反対に副交感神経が適切に優位になっている場合は、
睡眠の質もよく、胃腸(消化器系)も活発に動きます、疲れも取れます。

 

☆☆ここでなぜ副交感優位が重要かです☆☆

副交感神経は消化器系を活発に働かせます

消化管が働くと、「リンパ球」も働きます!

リンパ球が働くと、自然治癒・免疫がしっかり働くということになります!

 

※消化管と副交感神経は連動しおり、消化管は副交感神経に繋がっている最大の臓器です。

※リンパ球・・・身体の中をパトロールして、異常な細胞を破壊する白血球の一種、免疫系の要です。
疲れをとったり、病気の始まりを破壊したりします。(また別の記事で詳しく説明します)
リンパ球は、消化管を取り巻く形で進化が始まっており、消化管と一緒に働く必要性があったことが関係していると言われています。
最近、腸が大切といわれるようになったのはこのことも大きな要因の一つだと思います。

 

☆☆副交感神経が適切に優位だと「免疫力」「自然治癒力」が高い状態であると言えます!!☆☆

反対に、交感神経優位が続くと、「顆粒球」という白血球の一種が多く働きます。
適切に働いているうちは良いのですが、過剰になると自分の健康な細胞まで攻撃してしまうことがあるので、
交感神経優位が続くことはよくありません。(こちらも別の記事で、免疫についてで書いていきます)


まとめ

鍼灸治療による自律神経系への効果

鍼灸刺激

延髄(脳)

自律神経

心血管系・消化器系へ作用

①内臓の機能調整「身体の自動調節システムの改善」

②消化器系の活性化による「免疫力・自然治癒力アップ」

 

自律神経についてはまた補足記事を書いていき、

なぜ身体の自動調節システムが大切か理解できるようにお伝えしていきます。

 

※内臓の機能調整と書くだけだと、なったことのない方には非常に軽い状態だと思われてしまいそうですが、

自律神経が激しく乱れると「自律神経失調症」と呼ばれる病名になり、
病院へ行っても、ほとんど改善されず、不要な薬を飲みすぎてしまうことがありますので、注意が必要です。

身体と違って目に見えない、大きくわからないものですが、
自律神経の疲労、アンバランスは病気、加齢と大きく関係しており、現代社会では非常に大切にすべきものです。


説明不足や言葉足らずな場所もありますが、今後補足の記事やリンクを作っていきます。
一度公開した記事も読み直し、新しい情報によっては追記や表現を変化させていることもあります。
また、鍼灸師の方や医療関係者のアドバイス、訂正、疑問などありましたらコメントやメッセージお待ちしております。
多くの方の力もお借りして、より深い正しい知識にしていけたらと思っております。
よろしくお願いいたします。


鍼灸栗原治療院
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