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鍼灸による身体の変化・仕組み・効果④人間の脳に備わった痛みへの防御機能・2つの自己鎮痛メカニズム【神経伝達物質の調節】

2019.05.16
カテゴリ: うつ病,鍼の効果

鍼灸が痛みを抑える仕組みその④です。

人間は痛みに対抗するために、脳に備わった2つの自己鎮痛メカニズムを利用しています。
今回は特に慢性痛に対する防御機能です。

 

あまり痛いのが続くのは嫌だから、感じにくくしよう!(その間に自然治癒力で治そう!)というシステムです。

 

前回が「ホルモン調節」を利用してだったのに対して、
☆今回は「神経伝達物質調節」です!


※ホルモンと神経伝達物質の簡単な違い

ホルモンとは、特定の臓器などでつくられたあとに血液中に放出され、
全身をめぐりながら複数個の目的の器官の細胞に情報を伝えるための物質のことです。

目的の器官の細胞には受容体があり、
その受容体が血中のホルモンをキャッチすることで信号が伝わるという仕組みです。

神経伝達物質も信号を伝えるための物質ですが、
血液中に放出されるわけではなく、神経から神経に情報を伝えるための物質です。

神経と神経は連結しているようにみえるのですが、実は少しだけ離れており、神経伝達物質を放出する側と受け取る側に分かれてます。
受け取る側は受容体を持っており、
情報を受け取ったらまた次の神経に情報を渡すという仕組みで目的の筋肉細胞まで情報を伝えるのです。


前回と同じ説明ですが、
人の皮膚・筋肉には多くの感覚(「冷たい」「温かい」「痛い」「かゆい」など)の情報を感じる神経があります。
その神経が皮膚で情報を受け取り、脊髄(背骨の中)を通り、脳へ伝えられ、それらの感覚(「冷たい」「痛い」など)を認識します。

鍼によるツボ刺激=皮膚・筋肉への微小な損傷も同じように、脊髄(背骨の中)を通り、脳へ伝えられます。
=皮膚と脳は繋がっています!

鍼灸の効果ということでは、
「延髄」
「中脳」
「視床下部」
という、大まかに3つの場所に届けられます。

※正確には、下肢に鍼刺激を与えた際に、刺激が脊髄後角、脊髄視床路、視床、大脳の知覚中枢へと投射されること、
それに付随して視床下部中脳水道周囲灰白室、延髄弧束核へも投射されることが示されています。

今回は人間の脳に備わった2つの自己鎮痛システムということで、
鍼をした際に「中脳」に起こる変化について書いていきます。

 

①生体内オピオイド分泌=脳内麻薬物質の分泌されます!
(オピオイド:強い鎮痛作用、陶酔、快楽を示す物質の総称)

人間は、
痛みをもたらし組織の損傷を引き起こす刺激を受けると、
脳で「エンドルフィン」「エンケファリン」などの脳内麻薬を作り出します。
そして自然と痛みに対処しようとする身体の仕組みがあります。

鍼治療はその仕組みを利用するため、故意に痛み・組織損傷を引き起こし、刺激し、
「エンドルフィン」や「エンケファリン」の濃度を増加させ、鎮痛・鎮静に強く働きかけます。
鎮痛効果はモルヒネの6.5倍といわれています!

同時に「エンドルフィン」には、
ドーパミン遊離を促進させ、多幸感をもたらす作用があります。
モルヒネと同じ受容体に結合するため、生体内オピオイド(脳内麻薬)と呼ばれています。

あまり痛いのは大変だから、脳に強めの天然のお薬出しましょう!という人間の身体の仕組み・生理です。


②下行性疼痛抑制系の活性化=体表から受けた痛みの情報経路の遮断

人間は、痛いけど我慢しようと思う時は、
脳から信号が出て痛みを抑えようとする仕組みもあります。

信号として、痛みを抑える神経伝達物質が「セロトニン」と「ノルアドレナリン」です。
鍼の刺激は、青斑核でのノルアドレナリン、大縫線核でのセロトニンの放出を起こします。セロトニンやノルアドレナリンの濃度を高め、下行性疼痛抑制系を活性化させます。

(生体内オピオイド分泌が脳で活性化し、主に脳で作用するのに対して)
下行性疼痛抑制系は、脳で活性化し、脳に届く前の上行性疼痛伝導路(刺激が通る皮膚から脳への経路)の途中で
痛みの情報が脳に伝わらないようにして、痛みを和らげる役割をしています。

あまり痛いのが続くのはきついから、脳に来る途中で痛い情報を減らしちゃおう!とする人間の身体の仕組み・生理です。

ストレスや不安は下行性疼痛抑制系の機能低下を招きます。
セロトニン・ノルアドレナリンが足りないと、検査で異常がないのに痛みが止まらないことが続いたり
そのことで、うつ状態にもなる方もいます。

下行性疼痛抑制系を正常化し、痛みを適切にコントロールできるようになりましょう。


今回は

人間の脳に備わった2つの防御機能、
特に神経伝達物質調節を利用した慢性痛に対する
自己疼痛緩和、自己鎮痛システムでした。

①脳から脳へ痛みを抑えるモルヒネを出す働きかけ
②脳から神経伝達回路へ痛み情報を遮断する働きかけ

鍼灸によって脳に届いた刺激が、
脳や神経回路でおこる自己鎮痛システムを活性化させ、
痛みを感じにくくするということでした。


☆あまり痛いのが続くのは嫌だから、感じにくくしよう!(その間に自然治癒力で治そう!)というシステムです。

その力を鍼灸は意図して活性化させることができます!

鍼灸はすごい!人間の身体すごい!!


説明不足や言葉足らずな場所もありますが、今後補足の記事やリンクを作っていきます。
一度公開した記事も読み直し、新しい情報によっては追記や表現を変化させていることもあります。
また、鍼灸師の方や医療関係者のアドバイス、訂正、疑問などありましたらコメントやメッセージお待ちしております。
多くの方の力もお借りして、より深い正しい知識にしていけたらと思っております。
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